営業代行で高成長する企業が 推進する「部下10人で独立」制度
新入社員の給与や労働条件はあえて厳しく伝える
新規事業のスタートアップから既存顧客の深掘りまで、幅広い分野での営業代行業務を行なっているグローバルステージの人材戦略の柱は、社員の独立・起業を促進しながらビジョンに掲げた「世界一夢を叶える企業になる」こと。そうした同社だけに、採用の条件からしてユニークだ。
「学歴や職歴は一切問いません。私たちが最も重視しているのは、自分の夢に対してどれだけ本気であるか。そこで、年齢や前職の収入に関係なく、新入社員の月給は一律20万円であることや、週6日の勤務体制といったことなど、まず厳しい条件を伝えます。そして、それでも一緒に働きたいという人に来てもらいます」
そう語る社長の薄井隆博には、一つの狙いがある。確かに、週6日の勤務は厳しいようにも思える。しかし、起業したら週7日が当たり前の世界で、週6日を敬遠するようでは初めから独立は難しい。こうした厳しい条件を示すことによって、真剣に考えるきっかけにしてほしいのだ。
2003年6月に25歳の薄井が資本金1円で創業した同社は、いまではグループ企業26社、従業員101名を数え、グループ全体の売上高も15億円の規模に達している。押しも押されもせぬ営業代行のパイオニア企業で、毎年コンスタントに30人前後の採用をグループ内で行なっている。
ほとんどの社員は3年前後で独立していく
入社後は営業代行の各プロジェクトに配属されて、営業、コミュニケーション、自己管理、マネジメント、リーダーシップなど独立に必要なノウハウを、現場で実践しながら身につけていく。また一方、仕事の面で成果を上げることで、自分の部下を増やしていくシステムが構築されている。
「仕事の内容によって変わってきますが、一定条件を満たせば部下が1人ずつ増えていきます。そして、部下が10人ほどになったときに、独立してグループ内で新しい会社を起業することになります。『組織構築型の独立支援制度』と呼んでいますが、ほとんどの人は3年前後で独立していきます」
グループ内の企業は、営業代行の仕事を取ってくるところと、それを受けるところに大きく分かれ、お互いに仕事を融通し合っている。仕事を受けた企業は、取ってきた企業に売上げの10%を支払うのがルールだ。
いま、大企業の新規事業立ち上げなど毎月300件以上の問い合わせがあり、独立してもスムーズに経営を立ち上げていける環境になっている。
「また、組織を構築できなくても、入社から3年経てば独立できる制度も導入しています。厳しい世界で3年間働くことで独立する力は十分身についていますし、そうでない人はそれまでに辞めています」
笑みを浮かべながら話す薄井の当面の目標は、グループ企業を100社にすること。「現在のペースでいけば、3〜4年以内には実現できるでしょう」という。
引用元:CEO社長情報
記事掲載日:2015年1月