LEADERS FILE

日本のこれからを見据えたビジネスリーダーたちの次世代を切り開くメッセージを収録。

FILE NO.0261

株式会社CS-C 椙原健 | ローカルビジネスの活性化を通じて、消費者に日々の楽しみを提供し、街・地域、国を活性化。世界から見た日本の競争力を向上させる。

株式会社CS-C 代表取締役社長 椙原健

ローカルビジネスに特化したマーケティング企業として、店舗のマーケティングDXを推進しているCS-C。クライアントの課題を論理的に分析し、あらゆる手法を駆使しながら、業績を改善している。ビジネスで得た利益の一部を還元するという考え方で経営を続けてきた椙原社長に、目指す未来について語っていただいた。

 

社名に込めた思い、ビジョン

2011年に創業しました。CS-Cの社名に私たちの思いが込められています。「CREATE SMILE C(クリエイト スマイル C)」、私たちは「かかわるCに次のステージを提供し、笑顔になっていただく」を理念に掲げ、ローカルビジネスの活性化を支援し、ビジネスを通して社会の課題を解決することを目的としています。Cは、クライアント(CLIENT)、消費者(CONSUMER)、国・地域・子供(COUNTRYCOMMUNITYCHILDREN)の頭文字に通じます。

私は福島県出身で、時代の流れとともに街が衰退していくことを肌で感じていました。そして町おこし・地域おこしに貢献したいと思い、貢献できる会社を探しましたが無かったため、自分で会社を創ることを決意しました。また、中央集権国家の歪を無くすためにも、地方からの発信が必要であると考えました。

弊社はローカルビジネスに特化したデジタルマーケティングを主力事業としています。ローカルビジネスというのは、飲食店、美容室、エステ、旅館などの店舗ビジネスのことです。

ビジョンは2つあります。 1つ目は、私たちが関わる店舗に元気でより魅力的になっていただき、売上を伸ばすサイクルを作ることで結果としてその街全体、ひいては地域、国が活性化することです。もう1つは「公益資本主義」をもっと世の中に浸透させていくことです。「公益資本主義」は地域や環境といった社会全般に貢献することで企業価値を高めるという考え方です。ビジネスと社会貢献が両立する世界を作っていきたいと考えています。

 

事業内容

弊社はデジタルマーケティングに特化した、C-mo(シーモ)というSaaSの運用と、C+(シープラス)というコンサル事業を展開しています。これに取り組む背景には、利益率が低いというローカルビジネスの課題があります。ローカルビジネスは、店舗が多いためレッドオーシャン化しやすく、それぞれの独自性が伝わりにくいという特徴があります。マーケティングを強化して、自店舗をブランディング・プロモーションしようにも、マーケティングを行う人材やノウハウがありません。そこで、C+では、デジタルマーケティングのプラン策定から実際の実行、効果検証までをトータルサポートするコンサルティングを行っています。C-moでは、コンサル実績から得た最新のデータ・ノウハウを反映しているので、トレンドを踏まえたマーケティング施策が可能になり、業績改善に繋がります。有難いことに新規クライアントの約70%はご紹介から発生しています。徹底してクライアントのパフォーマンス向上のみを追及し、クライアントファーストを貫いた結果だと感じています。

 

 

組織作りにおける考え方

30人の壁・50人の壁という言葉がありますが、弊社もまさにこの会社組織の壁にぶつかりながら前に進んできた会社です。会社の規模が大きくなり社員数も増加していく中で、さまざまな問題が発生しました。社員数が30人を超えてくると集団から組織に変わるため、今までうまくいっていたことが機能しなくなることがありました。また、業務や人間関係に関することが経営陣を挟まずに社員だけで行われることが増えてくるため、経営陣と社員の感覚のズレや様々な価値観を持った社員の存在による孤立や対立も生まれました。当時はミッション・ビジョン・バリューが明確化していなかったことも大きいように感じます。弊社では社員旅行とは別に、全社員で定期的に経営合宿を行っています。ある時、その中で社員から物凄く不満・不安が出てきたことがあります。それを機に、進むべき方向性、クレドを明文化しました。今ではクレドを題材に毎週クレドトークを行っています。

社員が50人を超えてくると組織の階層構造が複雑化し始めるため、人材面、特に中間管理職に関連した問題が多く発生しました。離職率が2割を超えた時期もありました。ピラミッド型の組織構造では、経営陣が直接指示しない内容が増えるため、中間管理職の質が組織全体のパフォーマンスに直結します。そして中間管理職の実力が不足しており、企業としてうまく機能していなかったのです。経営陣と中間管理職の意識を統一し、中間管理職がしっかりとミッション・ビジョン・バリューを理解するように、時間をかけて働きかけ続けました。

現在社員は200人ですが、30人の壁、50人の壁、100人の壁を乗り越えてこられたのは、2つの理由があると考えています。1つは、創業期から経営陣が誰1人変わっていないことです。創業期から、経緯陣だけで毎週金曜日に食事をするということを、継続してきました。食事をしながら、会議の場では議題にあがらなかった内容の穴埋めも行ってきました。また企業組織のフェーズに応じて、経営陣の役割を変化させ、速く柔軟に対応をしてきたことが大きいと考えます。2つ目は、チームでのコミュニケーションの機会を大切にしてきたことです。チーム単位で月に1回飲み会を実施しているのですが、その費用は会社で負担をしています。飲み会を社内のコミュニケーションとして上手く取り入れた例としては、京セラさんやサイバーエージェントさんが有名ですが、弊社でも業務ミーティング以外に、皆が参加しやすいようなカジュアルな場をつくることを心掛けてきました。その他にも週に1回、全社ミーティングで10-15分、会社の方向性や価値観を私から全社員に共有したり、弊社には大事にすべき価値観(CS-C VALUE)があるのですが、入社から1年間はこのCS-C VALUEを基に理解を深めたりなど、様々な取り組みを行っています。

 

コロナ禍を経て

2020年からのコロナには大きな打撃を受けました。当時弊社のお客様は、グルメ業界が9割でした。20204月に緊急事態宣言が発令され、飲食店の皆様が休業を余儀なくされたことにより、弊社はこれまでに見たことのないような赤字を出してしまいました。そのような修羅場を乗り越えられた理由の1つは、ビューティー業界での業績を伸ばすことに成功したことです。コロナ以前は、伸びが見込めていたグルメ業界にほとんどのリソースを割いていましたが、並行してビューティー業界の研究開発も行っていたので、課題やニーズのソリューションを掴むことができていました。そのため、影響の少ないビューティー業界へと、柔軟にリソースを振り切り開拓していくことができたのです。有難いことにビューティー業界でもご支持をいただくようになり、20219月期の売上では比率が半分を越えました。売上は横ばいであっても、コロナ以前と比較すると、比率が大きく変わりました。

 

上場を経て。目指す姿

弊社は2021年に、東証マザーズ(現・グロース)に上場しました。2016年に上場を目指すことを明確に意思決定し、2017年から本格的に上場に向けての準備を開始していきました。2016年に、上場について社内で話が上がった時、当時は賛成派と反対派がいる状況でした。悩んだ末、上場する目的が2つあると感じ、2017年の年始に私の口から全社員に上場を目指して本格始動することを発表しました。目的の1つは資金調達。売上の7割はSaaSが占めているため、SaaSの開発にドライブをかけるためです。もう1つは、私が引退をしてもCS-C2代目3代目に引き継ぎ、永続させていく上で、人の目に触れさせることが重要だと感じたからです。上場準備期間、内部統制や、J-SOX、コンプラ系の守りが弱く、大変な思いも経験しました。しかし、この経験も上場をすると決意して初めて分かったことでもありますので、この上場という機会を利用して健全な組織運営をして行きたいと考えています。

 

 

志は会社のビジョンそのままです。ローカルビジネスのうち当社がターゲットとしている店舗は約134万店舗ありますが(総務省・経済産業省「平成28年経済センサス‐活動調査結果」、「厚生労働省 令和元年度_衛生行政報告例」等より集計)、この内2割の30万店舗を支援させていただき、世の中を動かしていきたいと考えています。2027年には、売上100億円、営業利益20億円、時価総額1000億円、プライム上場を果たしたいと考えています。10年後の目標は時価総額3000億円の企業になることです。C-moに関して言えば、店舗マーケティングのプラットフォームにしていきたいです。そのために今は12個程機能があるのですが、店舗にとってなくてはならない機能をもっと足していきたいと考えています。また、国内のローカルビジネスは世界から見た競争力が高いと感じています。日本の競争力を上げる上でも、海外に向けたプロモーションも我々が行っていきたいと考えています。

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