LEADERS FILE

日本のこれからを見据えたビジネスリーダーたちの次世代を切り開くメッセージを収録。

FILE NO.022
外食産業

株式会社レインズインターナショナル 西山知義 | 8割方、トップが考え、指針を示す。現場には、残りの2割を徹底的に考えさせる

株式会社レインズインターナショナル 代表取締役社長 CEO 西山知義
株式会社ベネフィット・ワン 代表取締役社長 白石徳生
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マックのポテトで気づいた感動を与える仕事

白石 西山さんとは食事には行っても、仕事の話をする機会がなかったんですよね。でも経営者仲間から「西山さんのマネジメントはすごい」という話をよく耳にしていて、今日はそこをじっくりうかがいたいと思ってます。

西山 そうですか。今のマネジメントにたどり着くまでには、大いなる失敗を経験しているんですよ。

白石 創業時はたしか外食産業ではなかったですよね?

西山 ええ。87年に、21歳で創業したのは不動産会社でした。もともと父親が不動産会社を経営していたんですが、僕が小学生のときに倒産したんです。それもあって、中学生の頃には「起業して、母を楽にしたい」と思っていました。
一応、会社として利益は出ていたものの、社員が入っては辞め、入っては辞めの繰り返し。マネジメントなんて、まるでできていませんでした。しまいには、横領事件まで起こされましたから。

白石 本当ですか。ひどいですね。

西山 ショックでしたよ。そのときに、たまたま書店で手にとったのがマクドナルドの経営に関する本だったんです。すべての店舗で同じ味が提供できるのは「人に頼らない」というマネジメントの仕組みがあるからだということで、その仕組みを知りたいと思ったんですよね。そこで、マクドナルドでアルバイトを始めたんです。

白石 本業をしながらですか?

西山 そうです。いろんなことが勉強になりましたが、中でも大きかったのがポテト。揚げて7分経ったら、残っているものをすべて破棄するんですよね。「もったいない」と言ったら、店長に「これから、何十回も何百回もご来店くださるかもしれないお客様に、冷めたポテトなんて出せない」と言われたんです。そのとき、お客様のことを一度も考えたことのない自分に気づいたんです。ただ「成功したい」「お金儲けをしたい」だけ。社員に対しても、できない社員は罵倒するのみでしたから。僕を裏切ったり、辞めていって当然だと。
そういうことにようやく気づいた結果、「お客様や社員に感動を与えるような仕事がしたい」と思うようになりました。

20〜 30代が足繁く通える焼肉店を作りたい

白石 それが、ターニングポイントになったんですね。

西山 ええ、外食産業の魅力にも気づきましたしね。努力することによって、お客様の笑顔が直接見られる仕事はよいなと思いました。
牛角誕生のきっかけになったのは、若手社員に連れられて行った焼肉店です。平日の夜、立地もよいわけじゃないのに、店の外に行列ができていた。しかも、すごくおいしいわけでもなく、サービスがよいわけでもなかったんですよ。

白石 何がよかったんでしょう?

西山 安いからです。並んでいるのは若い人でした。20~30代は外食に一番お金を落としてくれる層なのに、当時その層が頻繁に食べに行ける焼肉店がなかったんです。それなら、その層が足を運びやすいよう、3000円以下で食べられる焼肉店を作ろうと。

白石 なるほど。そこからの急成長は目を見張る感じでしたよね。

西山 いやいや、1店舗目が行列店になるまで、半年かかってますし、さまざまな試行錯誤はありましたよ。でもフランチャイズのシステムが整ってからは、7年半で1000店舗。まだ抜かれていなければ、世界一の記録だそうです。

白石 すごいですね! それだけの店舗数をどうやってマネジメントしているんですか?

1200店が「感動創造」を競うアルバイト甲子園

西山 僕の経営の基本は「人は信用はするけど、信頼はしない」なんですよ。業績のいい悪いを社員やアルバイトに頼るのは間違いで、業績を上げるためにはこちらが細かく管理しなければならないと思っているんです。
経営者として一番悪いのは「収益上げろ」とか「コストカットしろ」と言うだけの人。経営者なら、収益を上げるために取るべき方法まで定義してあげなきゃいけない。そうでなかったら、人件費を削って、チラシだけまいて、一時的に売り上げを上げてきたって文句は言えないでしょう。

白石 たしかに、業績のよい会社はトップがかなり細かいことにまで関与していますよね。でもそうしていると、トップに頼り切って、社員が頭を使わなくなっていくのではないかと思うんですが……。

西山 それは「考える幅」だと思うんですよ。僕のところは、8割までをトップが考え、指針を示し、残り2割の細かな方法を現場現場で考えさせているんです。企業理念の「感動創造」を体現し、お客様を幸せにする店とはこういう店だよ、そのために気をつけるべきはここだよ、という点を具体的に示し、目標とそれをクリアする方法を各店舗で考えさせる。 さらにどれだけクリアできたか、4業態1200店舗を毎日、数値化してチェックし、管理する。

白石 毎日ですか!?

西山 僕のところに上がってくるのは週1ですけどね。そこで目標達成できていない店をチェックして、集中的に対応していくんです

白石 そうやって、徹底的に管理しているんですね。教育はどうされているんですか?

西山 関東の店長は僕が直接、教育してます。それを各店長がどう店に浸透させているか、数字を見ればわかりますし、年に一度開催している「パートナーズフォーラム」というイベントではもっとよくわかる。別名「アルバイト甲子園」というんですが、1200店舗を競わせるんです。「感動創造」を理解しているアルバイトが多い店はみなが自発的にアイデアを出し、よりよい成績を修めようと店一丸となって努力します。
その中の優秀5店舗のみが出場できて、自分たちがいかに考え、目標を達成していったかを発表するんです。最優秀店になった店は、みな涙を流して喜びますよ。
うちでアルバイトをしていた学生は企業に入っても活躍できるし、起業している子も多い。そういうことを聞くとうれしいですよ。

白石 教育者ですね、完全に。今日は勉強になりました!

引用元:CEO社長情報

記事掲載日:2012年6月

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