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株式会社ワイズトータルサポート 重森豊 | ベンチャーとして成長を目指すなら〝ギブ・アンド・ギブ・アンド・ギブ〟、〝転んでもタダで起きない〟を実践せよ

株式会社ワイズトータルサポート 代表取締役社長 重森豊
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直通電話番号を聞き出して大物100人を口説き落とす

明治安田損害保険株式会社元社長の重森豊が常務執行役員のとき、出版業を営む現代創造社社長の伊豆兵衛は『読書遊心』にこんな文章を綴っている。

〈作家の城山三郎が生前この重森さんを知っていたら、小説にしたであろうと想像される〉

劇的な営業手法を考案し、破竹の勢いで実績を上げ続ける重森ワールドを見て感嘆したのだ。

重森は1974年に立教大学経済学部を卒業して安田生命に入社した。93年、新設された札幌中央支社長に就任したときに、ゼロからの市場開拓を強いられる。重森は北海道新聞や北海道電力、北海道ガスなど地元有力企業の社長と中小企業社長100人の交流会を開いた。この会が好評を呼んで、異業種流交流会「札幌いちいの会」が発足し、重森と部下は会を舞台にビジネスマッチングをサポートしていく。

重森は、異業種交流会の場で重要なのは営業をしないことだと強調する。

「ギブ・アンド・テイクではなく、会員のビジネスをお手伝いするというギブ・アンド・ギブ・アンド・ギブに徹すること。お役に立てば、向こうから保険に入ってくれるようになる」

翌年、重森は渋谷支社長に転任。当初約50人でスタートした札幌中央支社は約170人の所帯に拡大していた。重森は交流会を営業インフラに発展させたのだ。

渋谷支社でも重森は交流会「渋谷倶楽部」を発足させたが、今度はさらに大きな仕掛けに着手した。海部俊樹元首相、高木文雄元国鉄総裁、建築家の黒川紀章などの大物100人を発起人に登録し、社員はその名簿をもって企業を回った。

40代の支社長が100人もの大物を口説けた秘策は何だろうか。

「きっかけは大手建設会社の社長で、その方から知り合いの直通電話番号を教えてもらって会いに行った。そして、訪問する先々で知り合いの直通電話番号を教えてもらって協力を取りつけた。紹介を得たうえで直通電話番号にかければ、大物にも会ってもらえる」

「渋谷倶楽部」は、約1000社の情報を掲載した名簿を発刊するまでになった。その後も重森は、ベンチャー企業支援交流「銀座柳倶楽部」や、会員数1万人を誇る「関西倶楽部」などを立ち上げ、ビジネスマッチングを仕掛け、業績を上げ続けた。

ベンチャーと大手企業のマッチングを仕掛け続ける

こうした活動を通じて、ベンチャー企業の盛衰を直に見る機会を数多く積んだ重森は、09年から12年まで明治安田損害保険の社長を務め、この間、ベンチャー企業を育成する「SEOU(背負う)会」(会長・福井俊彦元日銀総裁、リーダー・藤森義明住生活グループ社長)幹事長に就任した。

会のメンバーは、自社を大手企業に成長させた創業社長を中心に28人。若手ベンチャー企業経営者にプレゼンテーションをさせ、人脈紹介や投資を行なっている。

「メンバー企業は今後の発展に向けて新たなビジネスのネタを求めている。一方、ベンチャー企業が単独で成長することは難しい時代、出資やM&Aで大手と接点をもったほうが現実的と言える」

SEOU会は、会員40万人をもつ起業支援プラットフォーム「ドリームゲート」とも連携して、ベンチャー企業とベンチャーキャピタル、大手企業とのマッチングを進めていく計画だ。

年上の有力者に役立てば愛い奴として支援される

「さまざまな業種にベンチャー企業の芽が育ってきて、楽しみな時代になった。女性経営者も以前は人材紹介業に多かったが、いまは多くの業種で活躍している」

そう俯瞰する重森が長年、ベンチャー企業をサポートしてきた経験から、伸びる企業の経営者には2つの特徴があるという。

1つは、転んでもタダで起きないことで「これは、持って生まれた人間の資質のようなものだ」(重森)。現在、中南米の食材輸入開発を手がける経営者が試行錯誤しながら、重森の脚に食らいついて離さないというが、こんなタイプが伸びていくと見ている。

もう1つの特徴は運に恵まれていること。株式上場など成功を収めた経営者には「運が良かった」と謙遜ではなく心から思っている例が多い。おしなべて良き人との出会いで社業が発展して、幸運を実感しているのだが、重森によると、出会いの運を高める方法があるという。

「若い経営者は年上の有力者に数多く会うなかで、自分を引き上げてくれる人と出会うのだから、毎日、夜は人と会う時間に費やすこと。これを苦もなくできることが必要だ」

しかし年上の有力者から支援を得るには、支援に値するレベルに自分を高めておくことが必須ではないのか。相手も支援に値すると判断するかどうかで、保有する人脈への紹介など力の入れ具合が違ってくるだろう。

ところが、必ずしもそうではないと重森は指摘する。

「大切なのは相手の役に立つことだ。この人は何を喜んでくれるのかを一生懸命考えて、実行すればよい。たとえばメガバンクの頭取に対して、定期預金の契約を10口ぐらい取りつけた上でビジネスの協力をお願いに行けば、その頭取は何とかしてやろうと気持ちが動くと思う。どんなVIPでも、ギブ・アンド・ギブで来る若者はい奴と思うものだ」

先に与え、さらに与え続けることはビジネスで果実を得る鉄則である。これは重森が札幌中央支社長時代に実行して以来、業績を上げ続ける原動力になった”ギブ・アンド・ギブ・アンド・ギブによる成功の法則”にも共通する。幸運は心構え次第で手に入れられるのだ。

引用元:CEO社長情報

記事掲載日:2013年8月

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