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外食産業サービス業

株式会社セクションエイト 横山淳司 | 「居酒屋はなこ」全国100店舗に向けて一丸 働くスタッフの夢の後押しが成長の原動力

株式会社セクションエイト 代表取締役 横山淳司

女性スタッフのモチベーションを高めるための投資はいとわない

横山淳司は、高校卒業後、親が経営する居酒屋の東京店を手伝うため、北海道から上京。経営者の息子という地位に甘えることなく、身を粉にして働いて貯めた500万円を元手に、22歳で「居酒屋はなこ」第1号店を東京・新宿歌舞伎町にオープンさせた。

「生まれ故郷、北海道の厳選素材を炙り焼きで提供する居酒屋。それだけでは面白みがない。そこで考えたのが、ガールズバーの居酒屋バージョンです」
と横山は語る。居酒屋の女性スタッフが、ヘソ出しミニスカートの制服に身を包んで、明るく元気よく接客する。十分なインパクトがあったことはいうまでもない。しかし、“可愛い女の子がいる居酒屋”というだけでは、キツくなると見越していた横山は、もともとのコンセプトである北海道の厳選素材にこだわった新鮮炙り焼きに力を入れる。

「新宿歌舞伎町、五反田につづく神田3号店のオープンが、ブレイクポイントとなりましたね」
2008年秋、日本経済はリーマン・ショックに見舞われるが、客層は20代後半~50代の男性、客単価は3,600円~4,000円とするマーケティング戦略を貫いた「居酒屋はなこ」は、逆風をもろともしなかった。

「しかし、出店を加速させるなか、ぶち当たった壁は、女性スタッフのモチベーションをどのようにして高め、維持していくかということでした」

在籍する女性スタッフは、ゆうに300名を超す。募集、面接、採用、育成、キャリア・アップにいたるまでの女性スタッフのマネジメントが、店舗展開の鍵を握ることになる。女性スタッフを応援するだけでなく、夢を後押しする。そう考えた末、横山がたどり着いたのは、サービスクオリティや会員獲得率、売上など接客サービスの競争が夢の実現への第一歩となる「HANAKO GIRLS COLLECTION」(ハナコレ)と銘打ったイベントだった。

「エントリーした女性スタッフをお客様が応援投票し、投票上位者が、グランプリファイナリストとして、最終オーディションに出場。来場者が500名を超える夢のステージに立って、髪型、ファッション、制服の着こなし、ダンス、両親への手紙などを披露。成績上位者は、読者モデルや芸能界デビューの夢が拓かれるという企画でした」

「女性スタッフのモチベーションを高く維持するための投資は、いとわない」という横山は、同企画のために、芸能事務所「エイトエンターテイメント」を設立。「ハナコレ」には、有名企業が協賛し、飲食店の常識を越えたエンターテイメントとして、各方面から注目を集めた。2010年にはじまったこのイベントは今もつづいている。

「縁あって、当社で働いてもらっているわけですから、一度きりの人生を存分に楽しんでもらいたい。社員独立オーナー制度の導入など、キャリアパスには心を砕いています。働くスタッフの夢の後押しが、企業としての成長の原動力だと思っています」

と、横山は胸を張る。現在、居酒屋はなこは全国32店舗。

「2013年までに全国100店舗をめざし、出店戦略を加速させているところです。韓国料理店や大手ビールメーカーとのコラボレーションによる「BEER&PIZZA HANAKONA」など新業態での出店も、戦略に取り込んでいるところです。東南アジアなど、海外進出も視野に入れています」
3月には韓国店もオープン。横山の野心は、尽きることはないようだ。

引用元:CEO社長情報

記事掲載日:2012年4月

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