新興国に築いた人的ネットワークを武器に、中小・中堅の海外進出を現地でサポート
中小のメーカーながらタイの展示会で大成功!
特殊パイプなど産業機械部品を製造するK社は今年(2015年)6月、タイで開かれた展示会に初出展した。100人を超える来場者がブースを訪れ、確かな手応えを感じることができたという。小規模ながら高い技術力を持つ同社は、小ロット生産や小口納品に対応し、業界のオンリーワンを目指す優良企業。将来を見据え、海外の販路開拓を模索している最中だ。
海外市場、なかでも成長著しい東アジアを中心とする新興国は中小・中堅企業にとっても魅力的なマーケットであることは間違いない。大手が参入するには市場規模が小さいことも利点といえる。しかし、国の制度が整っていないため、進出に時間がかかったり、エージェントや現地企業とのトラブルに巻き込まれたりするケースもある。こうしたリスクを避けるには、事前調査が非常に重要なのだが、そこに労力や資金、時間をかけられる中小・中堅企業は多くないだろう。
そこで必要となるのが、そうした事前調査をアウトソーシングするBPO的発想だ。新興国の政治・経済情勢や産業・消費者動向をよく知り、キーパーソン、要人にも太いパイプを持つ第三者のサポートがあれば、距離を一気に縮めることができる。
実は、こうしたきめ細かな海外進出支援で今、大手から中小・中堅、自治体、農産・畜産物団体など、数多くの企業・機関から注目されている会社がある。それがストラテジック・デシジョン・イニシアティブ(以下、SDI)だ。冒頭のK社の海外販路開拓も同社がサポートした。事前調査の結果、現在、タイとマレーシア、インドネシアにターゲットを絞り、販路開拓を進めているという。
信頼度の高い現地情報を“点”で拾い集める
SDIは新興国に特化したリサーチとマーケティングを手がける会社だ。事業の実質的なスタートは02年。現在SDIの代表取締役兼CEOを務める古川エドワード英太郎が、中国でのビジネスサポートを目的とした香港現地法人を設立した。その後、07年に東京に拠点を移し、中国をはじめ、東南アジア、インドなどの消費者調査や産業調査、企業調査、マーケティング支援などを展開している。
「情報インフラが先進国に比べて未整備な新興諸国で、300以上の協力調査会社や要人・キーパーソンとのネットワークを築き、地域密着型の情報収集ができる体制をつくり上げているのが当社の強みです。新興国に特化して消費者調査と産業調査の両方を10年以上にわたり手がけてきた会社はうちだけではないでしょうか」
こう話す古川は、新興国におけるネットワークや信頼関係をどのように築いてきたのだろうか。
「私は、アジア各国の裕福なご子息が通うシンガポールのアメリカンスクールで中学・高校時代を過ごしました。そのときの友人が大切な人脈となっています。今では彼らの多くが各国の第一線で活躍していますから、キーパーソンや要人を紹介してもらうこともあります。彼らの存在は大きいですね。また、香港現地法人の時代から中国はもちろん、それ以外の新興国でも地場の有力者とのネットワーキングを積極的に行なってきました」
中国語を独学で覚えたという古川をはじめ、同社のスタッフは全員、海外でのコミュニケーション能力が高い。その能力をフルに活用し、実際に現地に足を運んで築いてきたネットワークによって、信頼度の高い現地情報を“点”で拾い集めることが可能になっているのだ。
最近の調査例を挙げると『アジアにおけるめっき用化学薬品調査』『中国医療産業調査』『中国・ベトナム結婚マッチング業界消費者調査』『飲食事業のアジア展開における市場調査』などがある。幅広い調査実績は現地に信頼できる要人やキーパーソンを数多く抱えている証しといえるだろう。
見込客リストの作成などマーケティング支援も
海外に進出する場合、顧客になりえるポテンシャルの高い見込客にどうアプローチできるかが重要なポイントになるのは言うまでない。SDIではこうしたアプローチもしっかりサポートしている。
「お客様のニーズに応じて、事前に可能性の高い見込客リストを作成することもあります。例えば、リストアップした見込客に展示会に参加してもらえば、限られた時間の中でも効率的に商談を進めることができます。こうしたマーケティング支援(営業アプローチ)が行なえるのも当社の特徴の1つです」
冒頭で紹介したK社の展示会が成功したのも、前記のようなマーケティング支援を実施していたからなのだ。
このほか、M&Aの予備調査(新興国の中小・中堅規模の買収候補リストへのヒアリング)や、自治体による海外での独自の展示会開催などにも、同社を活用するケースが増えているという。
中小・中堅企業の多くは、社内リソースが限られ、自前で海外進出戦略を打ち出すことが難しい。BPO的な発想で海外事業に手軽にアプローチできるSDIのサービスの利用価値は、今後ますます高まっていきそうだ。
引用元:CEO社長情報
記事掲載日:2015年7月