【株式会社ぱど】営業マンは”集客マイスター”、紙媒体で店舗と住民を結ぶ

代表取締役社長/倉橋泰

広告・メディア

潜在ニーズ対応型
行動マガジンで世界一

飲食店やヘアサロンなどの店舗情報がWEBや携帯に集約されるなかで、JASDAQグロースに上場するぱどの売上高は、90%近くを紙媒体が占めている。同社でも『ぱどnavi』『ぐるめぱど』などのサイトを運営するが、社長の倉橋泰は「結局うちは『紙頼み』」と苦笑いする。

ぱどが発行する紙媒体は、発行部数世界一(1100万部)のフリーペーパーとギネスブックに認定された『ぱど』、都心部で働く女性が対象の『ラーラぱど』、医療機関情報の『ご近所ドクターBOOK』、ターミナル駅周辺在住のDINKS向けに今春創刊した『アーバンぱど』など10媒体を超える。

1990年代以降、数多くのフリーペーパーが創刊されては消えていったが、ぱどは何度かの危機に直面しながらも勝ち残った。その原動力は何だろうか。

「新聞の存在価値の低下とコンピュータ技術の進歩、その掛け合わせで成長してきた」と倉橋は概観する。しかし、これだけなら他のフリーペーパーと違いはない。ぱどが圧倒的な競争力を発揮できたのは、掲載情報の機能選別と、配布先の選定に独自の施策を講じたことである。

倉橋は媒体特性を、読んで行動を促す行動マガジン、面白さなどを提供する感動マガジンに二分。さらに行動マガジンを、求人や住宅購入などの顕在ニーズ対応型、料理の写真を見て店に行きたくなるといった潜在ニーズ対応型に二分する。その結果、ぱどは、潜在ニーズ対応型の行動マガジンに事業領域を設定した。

主力媒体『ぱど』(家庭版)は、全国1万3000人の宅配スタッフが家庭向けに戸別配布。一方、オフィスで働く昼間人口を対象とした媒体『ラーラぱど』は駅に設置したラックに配布するなど、媒体特性に応じて配布先を選定している。

営業を科学し訪問効率を改善する

その手段として、社内資格「集客マイスター」を制定した。飲食、美容、ネイルサロン、ヘアサロン、スクール、リラクゼーションの6業種について、訴求の方法など集客法の習熟度をテスト。3ヵ月ごとに社員にテストを実施し、合格するまで受験する制度で、すでに80%の社員が取得した。

ぱどのビジョンは「情報を通じて人と人 人と街をつなぎ 人も街も元気にする」。1件でも多くお店の情報を読者に届け、1人でも多くの読者をお店へ送り込むことだ。

さらに「営業を科学する」(倉橋)という方針から、各自の受注率を分析、訪問効率の改善にも取り組んでいる。

「当社は15年かけて、発行部数1000万部と1万3000人の宅配スタッフを獲得した。他社が同じものを目指せば15年かかるだろうし、一気にやろうとすれば100億円以上かかるだろう」

倉橋はそう明言する。情報過多の時代、読者が本当に必要とする暮らしに役立つ情報を届ける「街のコンシェルジュ」を目指す。

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