LEADERS FILE

日本のこれからを見据えたビジネスリーダーたちの次世代を切り開くメッセージを収録。

FILE NO.0259
健康・医療

ジェイフロンティア株式会社 中村篤弘 | ヘルスケア領域の革新者。オンライン診療と調剤薬局をつなぐ新たなビジネスモデルを確立し、人財育成で国力向上に貢献する。

ジェイフロンティア株式会社 代表取締役社長執行役員 中村篤弘

2021年グロース市場への上場を機に4社のM&Aも手掛けて、着実な成長を続けている。同社の使命は、事業、仕事を通じての人財育成であり、全従業員が企業理念手帳を携えて事業発展に邁進している。今回は、創業者である中村社長に「人財育成で国力向上に貢献する」想いの背景を語っていただいた。

創業からの経緯

大学卒業後は、ドラッグストアでの医薬品や化粧品の販売に従事し、その後は、広告代理店でインターネットのEコマース向けの集客販促事業の責任者を経験しました。その過程で、リアルとバーチャルで商品を拡販することを考え抜き、ジェイフロンティアを創業しました。2008年の初年度は、広告代理店事業、2012年にはD2C(通販、EC)を開始して、2016年は医薬品の通販、2019年には調剤薬局の運営を始めました。開始当初は、港区で薬剤師が薬を届けていました。例えると、薬剤師の出前館でした。その当時は、規制緩和を含めて時間を要すると考えていましたが、コロナ禍で規制緩和が進みました。そのため、アプリをバージョンアップさせていき、SOKUYAKU(ソクヤク)・薬の宅配プラットフォームへ進化させています。

振り返ると、完璧と徹底を追求した結果、起業に至っています。広告代理店時に感じていた課題は、プロダクト(商品)の販売は、広告だけでは上手くいかないことです。また、プロダクト(商品)が悪ければ売れませんし、ECであればフロントのシステム、買い物カゴが悪くても売れません。当然ながら、プロダクトが売れない理由は多岐に渡って存在しているため、完璧と徹底を追求するには、広告代理店では限界を感じました。そのため、ロジスティックスやコールセンターも然り、様々なソリューションを提供すると決めて、自分で事業を始めました。また、事業を展開するには自社で実践して、実績を上げることが大切です。自社が、プロダクトメーカーとしてECを実用しているからこそ、顧客企業に対して支援できると考えています。広告代理店のみの立場では、プロダクトを持ち合わせていないため、プロダクトやロジスティックスなどの理解を深めることができません。自社が実践しているからこそ、顧客企業へ実践的な支援を提供できるのです。

目標設定の考え方

「登る山」を明確に設定することが大切です。目標を設定したら、達成に向けて一生懸命に取り組みます。只々、我武者羅に目標を達成するまで取り組み、必ず結果を出します。結果を出したら、更に高い目標(登る山)を設定するのです。私の場合も高い目標(登る山)を設定しました。日本一の山ではなく、世界一の山を最初から目指しています。当然ながら、目標を達成することは簡単ではありません。日本一も大変なことですが、世界一なら尚更でしょう。しかし、目標設定の内容が意思決定の基準になりますので、私は重要視して目標を設定しています。
経営者である私自身が、誰よりも一生懸命に取り組むことを信念としてきました。私とアルバイト1名でマンションの1室から始めましたが、創業元年の年商は4億円でした。365日で平日に自宅へ戻ったのは、限られた日数です。私は目標達成に向けて、我武者羅に取り組みました。

自分の使命

会社勤めの頃から目標設定と結果にこだわり続けてきましたが、当時は自分の収入を増やすことに関心がありました。思い返すと創業2〜3年目の頃から、社会性や使命、天命について考え始めました。読んで字のごとく、使命は命を使うと書きますが「自分の命を何のために使うのか」と思うようになりました。現在、世界には70億の人が生きています。70憶人には、それぞれ生まれてきた意味や使命があると私は考えています。人間は、自分の使命に気づいて生きて行くことと、自分の使命に気づかずに生きていく場合もあるでしょう。時間は平等に与えられていますので、自分の使命に気づいている人は、時間へこだわり抜いています。仮に80年間生きられた場合は、1年間を普通に過ごす人もいれば、自分の使命に気づいている人は、100倍の濃密さと速度で過ごすかもしれません。何かをアウトプットした場合は、100倍の濃密さと速度で80年間生き抜くのですから、8000年間生きた価値を世の中に出せると考えられます。偉人である、坂本龍馬は32歳、吉田松陰は29歳で他界しますが、彼らの大和魂は、私たち日本人に残っています。人間は生きた年数ではなく「どのように生きたか」が大事だと考えています。私は、自分の生き様と死に様を通じて、次の世代の人たちに「あのような人間がいたのか」と、気づきを与えられるような生き方をしたいと常々思っています。

人間力(ヒューマンスキル)と日本人としての誇り

私には、ビジョンがあります。
1つ目は「仕事を通じての人材育成」です。夢や理想を達成するための方法はただ1つで、人間力、つまりヒューマンスキルを高めることです。人間力が上がれば、知恵も収入も必ずついてきますし、自分のやりたいことを自分で選択できるでしょう。そして、人間力の向上は真剣に仕事へ向き合うことで実現できると確信しています。人にはそれぞれの立場で仕事が存在します。企業内の若手社員にも家庭内の方々にも仕事があるのです。言い換えると、生まれてきたからには、社会へ貢献することが重要だと思うのです。
2つ目は「日本企業が外貨を稼ぐ仕組みをつくること」です。私の周囲で「日本はGDPが停滞しているから、今後は海外だ」と話される経営者の方々がいらっしゃるのですが、私は異論を呈しています。その理由は、日本の市場で結果を出せない企業は、海外でも成功する訳がないからです。また、80年後の2100年の日本は、人口も4000万人まで減ると言われています。消費と需要の観点で考えると、日本も移民を受け入れていかなければ、消費が活性化して上がることはないでしょう。また、食に関しても世界規模で大きな課題を抱えています。毎日何十万人もの餓死者が出ている中で、食が飽和している人々や、朝昼晩食べられる人々や、常にお腹が空いている状態の人々など、生死に繋がる格差が生まれています。このような中で、私たち日本人がなぜ豊かな生活を送れているのでしょうか。それは、先人が太平洋戦争後の焼け野原だった日本を立て直してくれたからでしょう。当時の方々が命を懸けて復興に取り組んでくれたからです。今年の日本の国家予算は107兆円ですが、支出と収入で考えると、50兆円程度の赤字です。国債も1,200兆円を超えています。膨大な借金だらけの日本人は、先人が過去に積み上げた貯金を食いつぶし、ぶら下がっているのです。だからこそ、私たちの世代も自分たちで立ち上がり、日本のGDPを押し上げていく必要があります。このことは、一人一人が責任感を持ち、民間企業も向き合う必要があるのです。私は、日本で圧倒的な結果を出して、日本に税金を納め続けて、日本に貢献して、尚且つ、外貨を稼ぎ続けることをやり遂げます。

POST

Edit

  • 関連経営者
  • RELATED MANAGER

アクセスランキング

ACCESS RANKING

編集部厳選インタビュー

STAFF SELECTION
新着記事
NEW ARRIVALS