【株式会社ブロードエンタープライズ】オーナー様のキャッシュフローを最大化する

代表取締役社長/中西良祐

金融・保険

2000年12月の創業以来、「オーナー様のキャッシュフロー最大化に貢献するという」というミッションを掲げ、不動産に関わる設備やサービス導入の初期費用をゼロにする「BRO-ZERO」を軸に事業成長を続ける「株式会社ブロードエンタープライズ」の中西社長に語っていただきました。

近年の主な成功事例や実績について教えてください。

最も大きな成功としては、初期導入費用ゼロ円のファイナンススキーム「BRO-ZERO」を軸に、サービスラインナップを増強し、事業領域を拡大、顧客基盤の強化を図れたことです。また、祖業である全戸一括型インターネットサービス「B-CUBIC」の累計導入戸数は全国で20万戸を超え、安定したストック収益を積み上げております。2023年第3四半期から提供開始した内装リノベーションサービス「BRO-ROOM」は2024年度には約10億円のフロー売上高を計上し、主事業の一つにまで成長しました。
また、2024年第4四半期から提供開始した外装修繕サービス「BRO-WALL」も四半期単体で87百万円のフロー売上高を計上し、成長が楽しみな事業です。
さらに、事業領域の拡大にあわせて販売代理店も増加しており、累計社数は2024年の1年間だけで2倍の118社となりました。

企業の成長を促進するための戦略は何ですか?

「BRO-ZERO」を軸としたフロー収益に引き続き注力しながら、ストック収益の成長施策についても推進していきます。それぞれの施策を丁寧かつスピーディーに進めていくことが成長に繋がると考えています。
・マーケット拡大:賃貸マンション・アパート以外の様々な建物種別(宿泊施設・ビル・分譲マンション等)へアプローチ
・販売代理店の増加:各業界の販売代理店との提携を推進
・マーケティング強化:WEB媒体、イベント出展等広告戦略を強化し、リード獲得
・AIシステム:リード獲得と受注率向上
・M&A:インターネット会社や民泊事業者とM&Aを進め、ストック収益を確保
・サブリース:子会社によるサブリース事業を推進

競合他社との差別化ポイントは何ですか?

当社の最大の強みは、初期導入費用ゼロ円のファイナンススキーム「BRO-ZERO」によるご提案が可能であることです。不動産の設備導入・修繕等にかかる初期費用を当社が立て替え、分割払いにできるスキームで、ローンやリースではなく、金融機関の審査も不要、与信枠も使いません。債権流動化という仕組みを活用しており、上場企業の信用力と金融機関との連携により実現しております。
債権流動化を活用して初期費用を立て替えるこのスキームで不動産オーナー様をターゲットにしたサービス展開を行っているのは業界でも当社が唯一の存在となります。数十万円~数百万円かかるマンションの設備導入の相見積もりを取られた際に、月額数万円のお支払いのみで良い当社が選ばれる可能性が高くなります。
その他の強みとして、大手不動産管理会社から街の不動産屋さんまで全国950社以上と提携しており、強固な管理会社ネットワークを築いております。
また、インターネット、オートロック、スマートカメラ、内装・外装修繕など、ニーズの高い商材を同時にご提案できるという点も強みの一つです。

業界全体の将来像についてどのように見ていますか?

新築物件の数は減少傾向にあるものの、常に毎年建てられています。一方、総人口は減少を続け、年齢別では日本経済を支える生産年齢人口の減少が最も顕著です。人口の減少と地方都市の過疎化により、空き家数は年々増加しており、今後20年で約1,000万戸の増加予想です。空き家の利活用こそが地方創生に繋がり、経済を活性化させます。当社のサービスはその課題解決に役立つため、成長性があると見込んでおります。
その一部に、インバウンド需要の高まりがあります。観光立国の実現に向けた政府の支えもあり、訪日外国人旅行者数(インバウンド)は急成長し、2030年の目標は6,000万人を見込んでおります。ただし、受け皿となる宿泊施設の供給が現状では少ないことが大きな課題であり、空き家や持ち家を民泊などの宿泊施設に転用するための融資・初期費用の課題を「BRO-ZERO」で解決してまいります。

企業文化をどのように築き上げてきましたか?

まずはじめに経営理念を明確にしました。経営理念は「CS(顧客満足)」「ES(社員満足)」「SC(社会貢献)」の3つを柱としています。これらの理念を基に当時の歩合制を撤廃し、理念に沿った人事制度を設計しました。これにより、理念に共感する社員が残り、会社の土台が整いました。
また、新卒採用を重視し、社員とその家族との関係を大切にしています。社会貢献にも力を入れ、「宗次賞」を受賞しました。理念実践の具体的な行動をまとめたクレド「スマイルブック」を作り、スマイルブック研修を全社員に実施しました。社員が理念を実践する環境を整えています。

これまでの失敗から学んだことは何ですか?

倒産寸前まで追い込まれたことがあります。
ずっとやってきた通信の仕事以外に柱になるものを作りたくて、手あたり次第何でもやっていったのが2015年頃でした。不動産に手を出したり、システム開発の会社をM&Aで承継したり、エステサロン、ECショップでの腕時計販売、ギフト販売などにも手を出しました。しかし、全然うまくいかず資金もなくなってしまいました。当時、当社は年商10億円の規模に成長しており、毎月の販管費(販売費及び一般管理費)もかさみました。創業当初は「苦しくても自分たちが我慢してカップ麵を食べていればいいや」で済んでいましたが、年商10億円規模の会社になるとそうもいきません。会社は数か月後には倒産寸前まで追い込まれました。後にも先にもあのときだけですが、ある銀行の役員からかつてないほどの叱責を受けました。「本業である通信以外の事業に手を出して倒産寸前になるなんて何をやっているんだ!」と。その頃、私は「倒産」という文字がちらついてへこんでいて、怒られてもただ耳を傾けるしかありませんでした。しかし、その役員は最後に「本業以外のすべての事業を止める条件で3,000万円の融資をする」と。驚きました。正直、3,000万円では足りなかったのですが、そのとき決めました。今後、本業である通信事業とその延長線上の事業に専念すると。本業以外の事業をその日のうちに中止しました。すると、各事業に散らばっていた人材が全て通信事業に集結しました。ものすごいパワーになり、ホームページを新しくしたり、バックヤードのサポートを手厚くしたりと、全員が同じ目標に向かって協力した結果、利益率も改善されました。それどころか2016年、2017年と業績を伸ばし、2021年にはついに上場することができました。
得意な領域を伸ばし、全くの別領域には手を伸ばさないということが、学んだことです。

ご自身の経営哲学はどの様なものでしょうか?

何よりもお客様のため、社員のため、地域社会のためというのが原点です。
関わる人全てのためになることを進めていくと、結果的に会社も伸びて成長していくことになります。売上を上げるという点ひとつをとっても、お客様のためを思っての売上なのか、それとも売上のための売上なのかでは、まったく違ってきてしまいます。理念というのがベースにあって、それでお客様のためになることをすれば売上は上がりますし、売上が上がれば社員の給料が上がり、社員の給料が上がって利益が出れば会社のためになります。
上場企業として成長していくことが、グロース市場からプライム市場に移行することにつながっていくので、自分たちの理念にしっかりのっとることが大切です。そこで会社の規模が大きくなったりお客様が増えたりといったことが増えれば増えるほど、喜ぶ人が増え役に立てることも増える、そう思って経営しています。

社長として最も誇りに思う瞬間は何ですか?

社員が私と同じ想い(理念)を持って誰かのお役に立ち、そのことを心から感謝して私に嬉しそうに報告してくれる瞬間を、社長として誇りに思います。

「ヒト、モノ、カネ、情報」の内で、最も重要視されているものはどれになりますか?

もちろん「ヒト」です。私は会社を上場する前から、社員たちに対して常に「当社は家族経営」だと伝えています。「お互いが家族のように接していく」「福利厚生を含めて家族のような関係性を作っていく」ことを大事にしていて、そのような価値観や社風が好きだと言ってくれる人財を採用しています。やはり人財あっての会社だと思います。社員がお客様のところに行き、その成果として対価をいただきますから。同じ8時間勤務という時間を過ごすのでも「自分が大事にされている」「守られている」と感じてミッションを理解しながら過ごす8時間と、ただダラダラと仕事をこなすだけの8時間では、成果がまったく違うと考えています。
人財を大事にすることを徹底的に大切にしてきましたし、そこが私自身の強みでもあると思います。

企業が今後百年存続するためには、何が重要だと思われますか?

まず経営理念の軸を決してぶらさないことです。ここがぶれるとすべてに影響してしまいます。その上で、人財を大切にすることを徹底していきます。
ただし、資金がなければそれも続けられませんので、お客様のお役に立ち、しっかり対価をいただける事業を展開し続けていきます。そのために重要な要素としては大きく二つあると考えています。
それは【差別化】×【再現性】です。
他社にないものを作り、知ってもらい、選んでもらう必要があります。そして、その差別化されたサービスがたとえばエリアや時代が違っても、お客様のニーズに応え再現性のあるサービスであればあるほど、事業が成長していきます。
永く愛されている企業にはすべからく上記の特徴があると思っておりますので、当社もこの考えをぶらさず成長を続けてまいります。

    

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