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日本のこれからを見据えたビジネスリーダーたちの次世代を切り開くメッセージを収録。

FILE NO.0107
士業 金融 コンサルティング

辻・本郷 税理士法人 本郷孔洋 | 単一モデルへの依存はやがて失速の憂き目に遭う

辻・本郷 税理士法人 理事長/公認会計士・税理士 本郷孔洋
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公認会計士として幾多の企業の盛衰に関わりながら、自らも関連グループを含め社員720人の税理士法人の創 業理事長として経営に当たる。辻・本郷 税理士法人理事長の本郷孔洋(よしひろ)は稀有な立ち位置にあり、その鑑識眼は実にリアルだ。

「社長は、どんな商売でも必ず儲からなくなることを肝に銘じなければならない。会計事務所も顧問料と決算報酬で稼ぐビジネスモデルでは収益が上がらなくなっている。企業は3年毎にマイナーチェンジをして、10年ごとにフルモデルチェンジをしなければならない」
ビジネスモデルというものが、いかにもろく、はかないものか。

1990年代に絶対的とも評されたビジネスモデルを開発したマイクロソフトでさえ、その後アップルに牙城を崩されてしまった。マイクロソフトは、次世代ビジネスモデル開発に着手したにもかかわらず失速してしまったのだ。
まして単一のビジネスモデルに依拠する企業は、劣化を免れ得ない。本郷はヒルズ族を例に挙げる。

彼らの多くは表舞台から消え去ったが、その理由は、メディアが面白おかしく報じた、女子アナウンサーや女優との鍋パーティーに興じた軽佻浮薄なマインドではない。単一のビジネスモデルに依拠した経営にこそ、衰退の原因があったという。同じヒルズ族でも楽天やGMO、サイバーエージェントは業態を変革したから成長を持続できているというのが本郷の見解だ。

ストレッチ、独裁力、動員力、企業の成長力を持続せよ

業態の変革には本業が好調なときに着手すべきで、これはごく当たり前の戦法である、経営者なら大抵認識していそうだが「ほとんどの経営者は次の準備をしていない」(本郷)という。
しかしいまが好調でも、4年や5年はアッという間に過ぎてしまう。それは業態の劣化だけなく、社内の人事にも危機を及ぼすのだ、中小企業の場合、社長が年を取るのと同時に経営幹部も年を取っていき、新陳代謝を容易に出来る体制にない。
この通弊を改善するために、本郷はストレッチを提言する。定期的な若返りと定期的な異動による組織のストレッチ、さらに自己変革による社員自身のストレッチである。だが、ストレッチは行なうは難しだ。「普通、創業期から世話になってきた経営幹部は大事に処遇しようと思うものだ。私の場合もそうで、性格的にドライになれない」と本郷は打ち明けたうえで、こう指摘する。

「しかし、それでは競争力を失ってしまうのが現実で絶えず世代交代や人事異動を行なう必要がある、そのために社長は非情になれなければならない、だから、社長がよほどの人物でないと成長を持続できる企業には発展しない」

社長自身のストレッチとは自己変革だが、そのためには何よりも企業経営が好きでならなければならない。一定の成功を収めてもなお成長志向を持続するモチベーションは、一意専心にのめり込めるほど好きでないとわいてこない。

だから「多彩な人や器用な人で事業に成功した例を見たことがない」(本郷)という、このストレッチととも本郷には共感し、感し、同意するあるスキルがある、それはマッキンゼー出身の木谷哲生氏が提唱する「独裁力」と「動員力」だ、この2つをともに発揮することで組織全体を動かせるのだが、決してワンマン経営の推奨ではない、本郷は「SNSの普及で権力構造が変化して、一般社員へのパワーシフトが起きている。どれだけ “いいね” を一般社員から集められるかという動員力が問われるようになった」と見解を示す。

動員力のカギを握るのは共感させる力だが、しかしストレッチと同様に、これもまた行なうは難しである、社員を共感させる方法は何だろうか、「私はその答えを持っていない。個人的には“この仕事、面白いね”という人を集めるしかないのではないかと思う」(本郷)
税理士有効活用のポイントは相性、専門性、報酬かくして成長の持続が容易ならざる時代へと突入したことが理解できる、それだけに、公認会計士や税理士の知恵を有効に活用したい、依頼される立場から、本郷は3つのポイントを挙げる。

第一に、専門職との相性が大切である、相性が合わないと良好な関係を築けないのは男女関係と同じだ。
第二に、専門職にすべての業務を期待しないで、得意な業務に絞って依頼する。「“何でもできます”とアピールする専門職は多いが、数字の処理だけで、経営を知らない専門職が多い」(本郷)
第三に、報酬をケチらない、また委託される前に見積もりを提出させられたり、相見積もりを取らされたりする場合が多いが、本郷は「これをされると専門職はやる気をなくしてしまう」と強調する。
ほとんどの経営専門誌に目を通しているという本郷は、こんな視点も提示するのだ。

「稲盛和夫さん、永守重信さん、孫正義さん、柳井正さん・・・・どの雑誌を見ても登場するプレーヤーが重なっている。マクロ的には嘆かわしいことだが、ミクロで見れば競争相手が少ないことはチャンスである。」
優秀な経営プレーヤーが少なくなったことは、活躍の余地がそれだけ多いことを示唆している。

取材・文/経済ジャーナリスト・小野貴史

引用元:M&Aタイムス

記事掲載日:2014年9月18日

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