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ワークインフラカンパニーとして、世界の可能性を広げる。

人材不足が懸念される中、企業支援から働き手への支援まで行う、株式会社アイドマ・ホールディングスの存在は必要不可欠だ。潜在的な働き手のインフラを担う同社は、業界のリーディングカンパニーとして注目を集めている。

創業の経緯

創業が2008 年の12 月で、丁度リーマンショックがあった直後に起業しました。起業する前に在籍していた企業は、顧客企業の新卒の採用支援をしていましたので、アイドマ・ホールディングスの起業時も、同じような人材サービスの事業を展開していこうと思っていました。しかし、当時はリーマンショックがあり、急速に企業が採用を控えるようになっていました。そのため、人材サービスの事業を継続したとしても、本質的には顧客企業への貢献はできないのではないかと考え始めました。そして、これからの日本が、10 年20 年30 年後と、どのような状態になるのかと考えた時に、労働人口が激減していく中で、従来通りに企業が自社で人材を採用しても会社を成長させていくことが、理論上難しくなるのではないかと思いました。このような状況下で、企業は自社を成長させようとした時に、外部の企業の力を借りることや、外部の人材の力を借りて行くことが、企業を伸ばす重要な指標になるのではないかとも考えました。その上で、当時、営業の分野において、外部で業務支援をする企業は、殆どありませんでした。また、私個人的にも法人営業を経験していたこともあったので、まずは営業支援というドメインで創業しようと決意しました。

潜在的な働き手の可能性

当初は、お客様の業務支援を当社社員が担当していましたが、労働人口が減っていく中で、当社が社員を永続的に増やしていけるのかという疑問を持つようになりました。理論上は難しいだろうと思いつつ、その一方で、日本には潜在的な働き手と言われる方々が600 万人いると言われています。しかしながら、主婦層の方であれば、出産や育児を機に勤めていた会社を辞めて、子育ての段階で時間にゆとりができても職場に復帰できないことが多々見受けられました。このような状況は、首都圏以外に全国でも同様であるため、仮に在宅でも主婦層の方々が働けるような支援体制が構築できれば、社会貢献にもなり、労働力を確保するという観点でも非常に大きなマーケットであると思いました。そのため、主婦層の方々が、在宅でも仕事ができるようなシステムをつくり、主婦層の方々へビジネストレーニングを実施して、お客様の業務支援を担当できる仕組みづくりに励みました。このことは、お客様にも大きな利点があると考えて取り組み続けて、今に至ります。しかしながら、当初はマーケット自体がなく、当然ながら発想自体が受け入れられないという事実はありました。それでも、当社が営業活動を積極的に行うことにより、少しずつお客様が増えていき、そのお客様に満足していただけることで契約も継続していただきました。また、そのお客様のご紹介で徐々に広がっていくことを体感しました。やはり新しいマーケットを創る、もしくは新しい取り組みを行うときには、営業活動が最重要であることを実感しました。諦めずに営業し続けることは、とても大切ですね。

在宅勤務の組織運営

在宅で仕事をする全ての方が、コミットして業務に取り組むという状態ではありませんでした。100人中2割の方は、安心して仕事を任せられるのですが、8 割の方は、認識の相違や仕事を完遂できなかったこともありました。その上で、すべての方が、仕事を完遂できるようなテクノロジーを自社で開発したり、在宅でも受講できるトレーニングなどのモニタリングシステムを構築して、人のやる気やコミットマインドに依存せずに高いパフォーマンスを発揮できるような仕組みづくりに取り組んできました。

アメリカの視察(GAFA)

アメリカと同じ戦い方をしたら勝ち目がないと思いました。非常に高レベルなエンジニアが揃っており、テクノロジーに対する投資額も桁が違います。同じような戦い方やそのインフラを頼った事業では勝てないので、やはり当社は独自の強みをつくらなければならないと感じました。そこで当社は「テクノロジー.ソリューション」を掲げました。サンフランシスコなどは、殆どがテクノロジー企業なのですが、当社は人の力も同時に活用して、企業支援や今後も新しいビジネスモデルを創っていこうと強く思いました。テクノロジーとソリューションの定義にもよりますが、テクノロジーは今までの産業を大きく変える力であり、ソリューションは人が生み出すものと定義すると、私は両方が必要であるとの思いが強いです。企業の課題の1つは、これから10 年後、20 年後、30 年後、本当に人が採れなくなることだと考えています。そして、

自社の人材だけで事業を発展させていくことも、相当困難になるでしょう。そのような状況下でも、人を採用せずに事業を発展させる手段として、経営以外のありとあらゆる業務を支援できるようなインフラに当社がなりたいと考えています。反対に働き手は、働く時間の制約や場所の制約で働けないという人もまだまだ日本に沢山います。その方々が、当社のテクノロジーや様々なインフラを活用することで働けるようになります。当社が、企業と人を結びつけるような「ワークインフラカンパニーになる」ことを、直近の目標にしています。

組織の成長と共に社員を最適配置する

創業からの5 年間は、人に例えると赤ん坊のハイハイから立てるようになる状態であり、生存するフェーズでした。当社は、資金調達などで事業を発展させるポリシーではなく、自社事業でのフリーキャッシュフローで発展させてることに時間を使いました。その頃の人材は、まずは営業で成果を出せることや、収益を上げられる人を重視しました。次の6年目から10 年目は、人に例えると、歩けるようになったため、高速で走ることを求める状態でした。言い換えると、個人の営業力だけでなく、チームを作る力や仕組みを作る力を求めました。次の11 年目から15 年目は、拡大していくという段階です。できる、できないではなく、ここが強い、ここが弱いというのを見極めて、最適配置をしていくということを重視しました。その背景には、当社社名のアイドマ・ホールディングスの「Ai」の「i」の上の点が★であり、これは個々の強みを活かすという考えをロゴに込めています。

組織運営

全社的な経営方針は年始に私から全社へ発信しています。それから毎週一度、経営幹部へ共有の時間を作っており、各組織へブレイクダウンして伝えてもらうやり方を取っています。代表者に直接紐づいてしまうと組織力が弱まると考えており、階層をつくり、各組織ごとに機能することを設計するように意識をしています。また、映像も活用し始めています。最近ではYouTube などが挙げられますが、採用活動におけるブランディングなども今後は更に強化していき、私だけでなく、当社のキーパーソンが発信をしていくことと考えています。

今後の展望

当社は、経営理念の「すべての人の夢の実現に貢献する」をすべての活動の目的としています。その目的を実現するために「世界の可能性を広げる」をビジョンとして定義しています。それは時間軸でいうと2050 年頃のイメージです。もう少しブレイクダウンをすると、2030 年は「人口減少を成長の機会に」という戦略のもと、顧客企業のありとあらゆる業務の支援を行っていきます。そして、世界中の「働きたいけど働けなかった人たち」の課題を解決して、当社がインフラの役割を担い、企業と繋いでいきます。そのためにもグローバルなワークインフラになる考え方のもと、今後も業務に励んでいきます。