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年間100回宿泊予約する会員もコールセンターがつかんだビジネスの肝

株式会社ゆこゆこ 萩原浩二社長 記事サムネイル画像

ゆこゆこは、主に宿泊情報誌と宿泊予約サイトによって、国内の旅館・ホテルと利用者を結ぶ宿泊予約サービスを行なっている会社。特徴的なのは、広告掲載費・制作費・予約受付をすべて請け負い、料金体系も宿泊業界では当時異例の成功報酬であるという点だ。契約宿泊施設数は2359軒、ゆこゆこへの登録会員数は623万人(いずれも2015年3月末現在)。会員の約8割が50歳以上という。

新聞や折込広告で会員を募りお宿情報誌『ゆこゆこ』(15年3月末時点での過去1年間の平均部数146万部)を送り、誌面を見た会員からの宿泊申し込みを受け付け、同社が予約代行をするというのが一般的な流れだ。『ゆこゆこ』を見て電話申し込みをする人が売り上げの7割近くを占め、ウェブ経由は3割程度。とはいえ、「ウェブを見た方のほとんどがインターネット申し込みでなく電話してきます。2階のパソコンでプリントアウトして1階で電話をかけてくる」とシニアの行動を代表取締役萩原は分析する。

ピーク時の電話は1日1万本 しゃべり方にもノウハウ

同社は設立当初からシニア事業を目指していたわけではない。宿泊予約サイトとしては後発だったため、宿泊施設から預かる部屋は売れにくい平日が中心。平日の集客となると、結果的に対象はシニア層が中心となった。いきおいコールセンターが重要な位置を占めることとなる。国内3ヵ所のコールセンターには、閑散期でも1日数千本、ピーク時は1万本ほどの電話がかかってくるという。

「つながらないストレスを与えないよう、できるだけいつでもつながるように回線を確保しています。応対品質を上げる努力はもちろん、どういう喋り方がシニアの方に聞こえやすいのかも研究しています」(萩原)。コストとの兼ね合いが難しいだろうが、その辺がシニアビジネスの肝らしい。

年間100回近く予約する会員もいるといい、全国10版制作している『ゆこゆこ』の発行部数も5年前と比べ1・6倍に伸びている。萩原社長は、シニア人口の増加とともにまだまだ売り上げは増やせると見ている。