ソーシャルメディアを活用した独自の女性向けマーケティングサービスを提供するトレンダーズ。2012年の東証マザーズ上場を機に、事業の拡大、収益向上に力を注いでいる。14年5月社長に就任したばかりのトレンダーズ代表取締役社長・岡本伊久男氏が、同社のさらなる成長を側面から支援するコンサルティングファームLight Up ALLコンサルタント・中川あゆみ氏と、これからの活力ある組織づくりについて語り合った。
今後のキーワードは「 Trend+Sustainability」
中川 5月に社長就任されたばかりですが、まず抱負をお聞かせ願えますか。
岡本 弊社は、「『女性』と『働く』をHAPPYに」というミッションを掲げ2000年に設立、女性マーケティングのパイオニアとして独自のサービスを提供してきました。東証マザーズに上場を果たし、今後は10年、20年、30年と会社を継続的、持続的に成長させていくための基盤づくりが私の務めだと考えています。そこで打ち出したのが、新しいキーワード「Trend+Sustainability」です。時代の流れを的確にとらえ、持続的に事業を拡大できる基盤を構築するという意味です。それには社会にとって必要不可欠な存在になれるようなサービスを生み出していく必要があります。
これまでは提案型の事業がメインでしたが、スマートフォンの急速な普及によりマーケティングのあり方も変わってきており、今後はアプリや動画など自社メディアを使った事業にも力を入れ、皆様にどんどん参加していただきながら、企業と消費者をつなぐブリッジでありたいと考えています。
中川 そうした新たな挑戦をされるなかで、弊社にコスト削減コンサルのご依頼をいただきまして、誠にありがとうございます。今回のコスト削減の狙いはどこにあるのでしょうか。
岡本 「ヒト・モノ・カネ」は経営の3資源といわれますが、おカネという限られた資源をどこに集中させれば会社の成長にとって効率的なのかを考えるのが経営者の責任です。もし気づかずにムダな資源を使っているとすれば、そこはきちんとセーブをし、そこで生まれた余資を新しい事業やサービスに投資していくことが重要です。それによって社員のキャリアパスも広がりますし、世の中に貢献できるようなサービスを生み出していくことができます。
完全成功報酬型コスト面でのリスクなし
中川 コストコンサルを手がける会社が数多くあるなかで、弊社を選んでいただいたポイントはどこにあったのでしょうか。
岡本 1つは、完全成功報酬型のサービスということです。コンサル費は、実際にコスト削減ができた金額のなかから、その半額をお支払いするという仕組みですので、初期費用が必要ありません。調査をしていただいた結果、仮にコンサルをお断りすることになっても、コストが発生しないというのが一番大きな理由ですね。お願いする側としては非常にやりやすいという感じがしました。
中川 コスト面でのリスクがないということですね。
岡本 はい。もう1つは、最初の調査方法が、われわれにとっては負担が軽いということです。当社は1ヵ月分の請求書や契約書を用意するだけでいいと。あとは全部やっていただける。もちろん守秘義務に関してもきちんとし対応していただいています。
20代と30・40代では女性の働き方が変化する
中川 御社は女性向けマーケティングを手がけられ、女性の意識や動向などにお詳しいと思うのですが、いまの働く女性の環境についてはどのように見ておられますか。
岡本 女性の働き方についてはいろいろいわれていますが、結局は、どうやって仕事を設計していくのかということだと思っています。たとえば、若い頃は知識も経験も少ないので、どうしても体力や行動力で勝負することになります。しかし、結婚や出産、子育てなどのライフイベントに時間をとられるようになると、働き方を変えざるを得ません。特に時間的な制約ですね。多くの時間を仕事に使える20代のときと、30代、40代では違ってきます。
一方で、20代のときにはなかった能力が、30代、40代になると身についてきます。コミュニケーション力、人脈、判断力などです。20代の時には3日間を費やしていた決断も、経験と能力の積み重ねから10分で済むかもしれない。そうなれば、時間的な制約が生まれても、効率的な働き方によって、会社にとってもクライアント様にとってもマイナスはない。限られた時間を有効活用できます。
中川 確かに20代のときは何時間もかかっていた仕事が、30代になればわずかな時間で済むということはあります。経験による効率化ですね。
岡本 御社のコストコンサルも独自のネットワークや、それに関する知見があるから可能なのだと思います。それは個人においても同じで、若いときから努力して、経験や実績を積み上げてきた人は、独自の人脈やネットワークを構築し、決断力も向上している。過去の経験に基づき解決策を考えることができます。女性にはそうした仕事のやり方、スキルアップを目指してもらいたいと思います。
その一方で、会社側としては女性が仕事をしやすい仕組み、制度をきちんと整えているところです。
中川 子育て中の女性の場合、託児所不足など、仕事に復帰したくとも厳しい状況にあります。そういうなかで、女性の働きやすい環境づくりを意識されているトレンダーズさんはとてもすばらしいですね。
一般的に企業のなかで女性が多い部署は総務や経理ですが、会社の収益への貢献度は見えにくい。しかし、仕入れなどのコスト削減効果を見える化することによって、多くの女性が関わるスタッフ部門でも、会社の業績に対する貢献が可能です。弊社のコストコンサルをそのためのツールとして活用していただければ、うれしく思います。本日はありがとうございました。